白内障手術件数

年間総手術件数の推移

年間総手術件数の推移

おかげさまで、当院は開院7周年を迎えることができました。
これも偏に、地域の皆さまの変わらぬご愛顧と当院の医療に対する信頼の賜物と、心より御礼申し上げます。
グラフにございます通り、当院の白内障手術件数は順調な推移を見せており、2019年度から2024年度までの手術総数は3,686件を数えるに至りました。
この数字は、単なる医療行為の回数ではなく患者様お一人おひとりの大切な「見える喜び」を取り戻すお手伝いをさせていただいた信頼の証であると受け止めております。
この多くの実績を積み重ねることができましたのは、当院の医療に対する「質の高い、安心できるケアを提供する」という姿勢を、患者様が信頼してくださった結果だと深く感謝しております。
私たちはこの感謝を胸に、これからも患者様が安心して頼れる「かかりつけの眼科」として、最新の知識と技術を磨き続け、地域医療に貢献してまいる所存です。
スタッフ一同、「見える喜び」のその先にある、患者様の豊かな生活を支えることを使命とし、誠心誠意努めてまいります。

手術件数
2019 438
2020 582
2021 614
2022 572
2023 720
2024 760
2025 850
合計 4536
2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 合計
手術件数 438 582 614 572 720 760 850 4536

年間手術件数 760

※2024年度

手術総数 3686

※2019~2024年度

白内障手術概要

最新の医療設備により、短時間で苦痛なく完了する日帰り白内障手術を行っています。
手術では、濁った水晶体の代わりに、眼内レンズを挿入します。眼内レンズは一度挿入すれば、半永久的に使用できます。局所麻酔を行いますので、痛みはほとんどありません。意識がありますので、医師やスタッフの声も聞こえますし、会話もできます。
緊張される方が大変多いですが、声をかけながら手術が進行しますので、リラックスして手術を受けて下さい。
手術準備に1時間程かかりますが、手術時間は10~20分程度で終了し、痛みがなければそのままお帰りいただけます。

白内障、白内障手術のところに手術件数については眼科コラムをご参照ください。

白内障手術の方法

水晶体を眼内レンズに置き換えます。

  1. Step.1

    目に小さく切開を入れます。

  2. Step.2

    濁った水晶体を取り除きます。

  3. Step.3

    眼内レンズを挿入します。

白内障手術を受けるタイミング

白内障は軽い内に手術をしてもあまり大きな変化は感じられません。逆に白内障をあまりに放置しておくと、手術が難しくなってしまうこともあり、視力回復のチャンスを逃してしまうのは大変もったいないことです。そのため、なるべく早いうちから定期的に眼科を受診し、状況に合わせて適切なタイミングで手術を受けることが大切です。一般的な目安としては以下のようなものがあります。

  • かすみが強くて生活が困る
  • 視力が下がってきている(運転される方は視力0.7)
  • 白内障の濁りが中程度以上
  • 近眼、遠視が強い方は早めに

白内障手術後の見え方について

水晶体の濁りの分だけはかすみがとれます。またサングラスを外したように色合いが鮮やかにもなります。加齢変化で濁った水晶体は黄白色に変色していることが多いため、手術前と比較して色が少し青白く色味が変わったように感じる方も少なくありません。眩しさや色味は時間経過で慣れてきますが、気になる場合は医師に相談してください。一方、水晶体の濁り以外の分(飛蚊症や乱視や老眼や網膜の傷みなど)は改善しません。そのため当院では手術前にきちんと時間をとって、お一人お一人の術後の見え方について説明をさせていただきます。

眼内レンズの選択

白内障の手術で挿入する眼内レンズには、いくつか種類があり、大きくはある1ヶ所でピントが合う「単焦点レンズ」と、遠方にも近方にもピントが合う「多焦点レンズ」に分けられます。
手術で挿入した眼内レンズは、若い人の水晶体のように厚くなったり薄くなったりして、ピントを調節する力がありません。
また、眼内レンズは、一旦目に入れてしまうと、よほどのことがない限り、取り替えることはなく、一生使用するものですから、合ったものを慎重に選ぶことが必要です。
ひの眼科クリニックでは、仕事や趣味のこと、一日の生活においてどこを見ることが一番多いかなどをお伺いし、患者さんの状態や生活に適した眼内レンズをお選びいただいております。

単焦点レンズ

従来からよく使われている単焦点レンズです。

調節力はなくなりますがハロ、グレアなどがなく、ピンとのあった所では一番はっきり見える眼内レンズです。

メリット・デメリット

メリット
  • 健康保険が適用されるので治療費を抑えられる
  • 見え方に早く慣れやすい
  • ピントの合うところではとてもよく見える
デメリット
  • ピントの合う位置から外れるほど、徐々にボケてくるため眼鏡が必要になる。

向いている人

  • 眼鏡をかけることに不都合を感じない
  • 夜に車の運転をすることが多い
  • 手元の細かい作業をすることが多い
  • 糖尿病などの他の目の病気を併発している

多焦点レンズ

眼鏡なしでアクティブに生活したい方にオススメです。

焦点(ピント)が遠方だけでなく近方にもあります。見え方の質は低下しますが、遠近両方見えます。

メリット・デメリット

メリット
  • 遠方、近方の2つの距離にピントが合う
  • そのため、日常生活で眼鏡をかける必要が少ない
デメリット
  • 自費診療となるため費用が掛かる
  • 見え方に慣れるまで2週間から1ヵ月程かかる
  • ライトなどが眩しく感じることがある
  • 細かいものを見る仕事の人には不向き

向いている人

  • 眼鏡をかけずにアクティブに生活したい
  • 遠近両用のコンタクトレンズの経験あり
  • 夜間に車の運転はあまりしない
  • 白内障以外に目の病気はない
  • 裸眼でスポーツを楽しみたい

代表的な眼内レンズ

ワンピースレンズ(テクニスオプティブルー)

ワンピースレンズ(テクニスオプティブルー)

眼内レンズの中が濁るグリスニングやホワイトニングが非常に少ないレンズです。光学部の球面収差を-にすることで、角膜の+の球面収差を抑えたり、色収差を少なくする設計思想のため、現在の眼内レンズで最も収差を少なくした眼内レンズです。そのため夜間や薄暗い所など見るための条件の悪い所でも見え方が向上させるレンズです。

二重焦点レンズ(テクニスマルチフォーカル)

二重焦点レンズ(テクニスマルチフォーカル)

老眼対策用の遠近両用のコンタクトの機能を眼内レンズに入れたものです。
遠方、近方の2つにピントを分散することで、従来の眼内レンズなら必ず老眼になっていたものを、遠方と手元の2ヶ所見えるようにした眼内レンズです。ただ2つにピントを分散するためコントラスト感度というはっきり見える力が落ちます。もともとTECNISは収差の一番少ない品質の高いレンズのため、コントラスト感度低下が多少落ちても、他の多焦点レンズに比べ抵抗力が強いと考えられています。ハロ、グレアといった眩しさもでてきます。

焦点深度を長くした眼内レンズ(TECNIS SYMFONY)

焦点深度を長くした眼内レンズ(TECNIS SYMFONY)

単焦点レンズはピントを1ヶ所に、二重焦点レンズはピントを2ヶ所にしたレンズですが、このTECNIS SYMFONYは焦点の合っている所を伸ばしたレンズになっています。そのため従来の単焦点レンズより幅広い部分でピントが合います。ただ遠くから手元までみえるわけでなく、手元は少しぼけてきますので近用眼鏡が必要になります。

レンティスコンフォート

レンティスコンフォート

保険適応の近方アシストレンズで、遠方から中間の良好な視力が得られます。ハロー/グレアをはじめとする多焦点眼内レンズ特有の不快な自覚症状も軽減され、焦点深度の拡張による明視域も拡大されています。ただ黄色く見える、光が花が咲いたみたいに見えると言われることもあります。

Pan Optix

Pan Optix

遠方・中間(60cm)・近方(40cm)の3ヶ所にピントがあう3焦点レンズです。国内で使用されている多焦点眼内レンズの中で、最もピントのあう箇所が多く、眼鏡に頼る頻度は最も少ないとされています。ただしEDOFレンズに比べると見え方の質は低下します。

シナジー

シナジー

EDOFレンズ(焦点深度拡張型:遠くから中間距離まで切れ間なくピントが合う)と2焦点眼内レンズ(遠くと近くの2か所にピントが合う)を組み合わせたレンズです。遠方から中間・近方33㎝まで連続的で広い明視域を持ったレンズです。ハロ、グレアはやや多い

VIVITY

VIVITY

遠方の視力を維持したうえで、落ち込み少なく中間視力まで保たれます。ただし、近方では、視力が低下するため、老眼鏡は基本的に必要となります。ハロー/グレアも単焦点と変わらないぐらい少なく、薄暗い所でも、視力とコントラスト感度は保たれます。左右差をつけてピントをわずかにずらして、弱点である近方視力対策をすることがあります。

※その他、乱視の強い方には、乱視軽減の機能を追加したレンズもご用意しております。
ご希望の方はご相談くださいませ。

白内障手術の流れ

  1. 術前のご説明、術前検査(1週間~1ヵ月前)

    手術前には御家族と一緒にご来院いただき、白内障の状況、手術方法、手術後の注意点、手術後の見え方の説明、入れる眼内レンズの選択、手術のリスクなどをお1人お1人に合わせてご説明し、またライフスタイルやご希望をお聞きすることにより手術日や眼内レンズなどを決定していきます。手術前に眼の検査や手術時に必要な採血検査なども併せて行います。

    白内障手術前の主な検査内容

    問診
    (症状の具合やライフスタイル、ご希望などを伺います)
    屈折・視力検査
    (目の度数、視力を測定します)
    細隙灯・眼底・眼圧検査
    (白内障の進行具合と合併症の有無を調べます)
    角膜内皮細胞検査
    (角膜の手術耐久性と手術後の視力への影響を調べます)
    眼軸長測定・角膜形状解析
    (使用する眼内レンズの種類や度数を決定します)
    採血
    (全身状態のチェック、感染症の有無を調べます)
  2. 手術日

    当日は手術予定時間の1時間半前にご来院ください。瞳孔を開く目薬をさしたり、血圧を測定するなどの手術前の準備が必要です。白内障手術は、いわゆる手術台ではなく、歯科治療の時に使う椅子型の手術用椅子で行います。点眼で局所麻酔を行いますので、痛みはほとんどありませんし、意識がありますので、医師やスタッフの声も聞こえますし、会話もできます。まずは消毒薬で目を消毒し、顔を清潔な手術用シーツで覆います。手術は濁った白内障を超音波で取り除き、白内障を覆っていた膜を残してその中に眼内レンズを挿入します。
    点眼麻酔にて10分ぐらいで終了し、20分ぐらい休んでからご帰宅いただけます。
    手術後は必ず眼帯をするため、運転などができません。ご家族の方などの運転か公共交通機関を使ってお帰りください。

  3. 手術翌日から

    視力検査や眼圧検査などの後に診察をします。
    その後は、手術1日後、3日後、1週間後、2週間後、1か月後、2か月後、3ヵ月後といったペースで経過観察をしていきます。手術後しばらくは感染をおこさないか注意する必要があるので、透明の保護眼鏡を1週間装着し、洗顔・洗髪は5日間ほどは控えましょう。飲酒も禁止です。
    術後3ヵ月間は炎症を抑える、ばい菌感染を防ぐため点眼薬を処方します。

白内障手術の費用(片眼)

一般的な単焦点の眼内レンズを挿入する白内障手術は、保険診療で行います。患者様の世帯収入やご年齢によって変わりますが、以下のような費用となります。

3割負担の方 2割負担の方 1割負担の方
手術費用 約45,000円 約30,000円 約15,000円

※ 多焦点レンズの場合、別途レンズ費用が約300,000円必要となります。
多焦点眼内レンズ(遠近両用レンズ)を挿入される方は、保険診療外になりますのでご相談ください。

後発白内障について

白内障手術後しばらく経つと、また以前のようにかすんできたと言われることがあります。
眼内レンズを支えるために残した後嚢というレンズを支えるフクロが濁ってきた後発白内障の可能性があります。
その場合ヤグレーザーで膜に穴を開け、濁りを取り除きます。

5分ぐらいで点眼麻酔で行います。